
「うちはリピート率90%です」
この数字を見ると、ひとまず安心したくなりますよね。
実際、90%という数字自体は悪くありません。
日々の施術や接客が、お客さんに受け入れられている結果でもあります。
ただ、その数字だけを見て
「うちの再来は大丈夫だな」
と思っているなら、少し注意が必要です。
なぜなら、リピート率は「誰を分母にしているか」で、意味がまったく変わるからです。
今のあなたの院の「リピート率」は、誰を何回目まで数えていますか?
「リピート率90%」の中身を見ていますか?
例えば、ずっと通ってくれているお客さんが多い院なら、全体のリピート率は高く出やすくなります。
これは悪いことではありません。
むしろ、信頼されている証拠です。
でもその一方で、新規のお客さんが2回目に来ていないとしても、全体の数字だけでは見えなくなります。
逆に、その月に来た新規のほとんどが2回目を予約してくれたとしても、3回目以降につながらなければ、売上は積み上がりません。
「90%なのに、なぜか予約表が安定しない」
「先月はよかったのに、今月は急に空きが増えた」
こんな状態になっているなら、数字が悪いというより、数字の見方が粗いのかもしれません。
全体のリピート率だけでは、どこでお客さんが離れているのか分からないわけです。
だから見るべきなのは、立派な数字そのものではありません。
その数字を作っている「分母」です。

2回目・3回目・継続中を混ぜない
リピートを改善しようとすると、
「どうすればもっと通ってもらえるんだろう?」
と考えがちです。
でも、この考え方だと対策がぼんやりします。
初回だけで終わる人と、2回は来たけれど3回目がない人。
さらに、症状が落ち着いたあとに離れる人。
この3人は、来なくなる理由が同じではありません。
まず初回から2回目への壁。
ここでは、「ここなら自分の悩みを任せられそうだ」と思ってもらえているかが重要です。
体の状態を分かりやすく伝えられているか。
今のままだとどうなりやすいのか、次に何をするのかを見せられているか。
ここが曖昧だと、お客さんは家に帰ってから
「また行ったほうがいいのかな?」
となってしまいます。
次に、2回目から3回目への壁です。
ここでは、初回に話したことと、実際の変化がつながっているかが問われます。
「ちゃんと自分を見てもらえている」
「自分に合わせて考えてくれている」
この納得感がなければ、継続する理由は弱くなります。
そして、その先の継続では、主訴が軽くなったあとも通う意味を共有できているかが大切です。
この3つを全部まとめて「リピート率」と呼んでしまうと、改善する場所を間違えます。
初回の説明を直すべきなのに、継続向けの案内を増やしてしまう。
3回目以降の価値を伝えるべきなのに、初回の会話ばかり見直してしまう。
これでは、頑張っているのに数字が動かないですよね。

明日やることは、数字を3つに分けるだけ
難しい分析は必要ありません。
新しいツールを入れる必要もありません。
まずは手元のカルテや予約表を見て、次の3つだけ数えてください。
・初回から2回目につながった人数
・2回目から3回目につながった人数
・3回目以降も継続している人数
できれば、人数だけで終わらせず、それぞれの割合も出してみましょう。
そうすると、今までひとつに見えていた「リピート率」の中身が見えてきます。
「思ったより2回目が少ないな」
「3回目までは来るのに、その先が弱いな」
ここが分かれば、次に直すべきことはかなり具体的になります。
2回目が少ないなら、初回での説明や次回提案を見直す。
3回目が少ないなら、2回目で変化の確認と計画のすり合わせを丁寧にする。
継続が弱いなら、症状が落ち着いた先にどんな価値を感じてもらうかを考える。
新規を増やすことも大切です。
でも、今来てくれているお客さんが、どこで次の予約をやめているのか。
ここを知らないまま集客だけを増やしても、ずっと新規を追いかける経営になってしまいます。
まずは、あなたの院のリピート率を分解してください。
「誰が、どこで止まっているのか」が見えたとき、初めて打つべき手が決まります。
売上を安定させる改善は、そこから始まるわけです。


